昨年あたりから光触媒の業界にも「闇」が広がりを見せています。現在、コロナ禍で多くの人々が経済的なダメージを受けながらも必死に生活をしています。感染症が蔓延する中での生活に人々はとても不安を感じ、自衛のため「衛生問題」に関心が集まります。それと同時に人々の不安感に付け込んだ、「闇のビジネス」を展開する輩も現れるものです。
人は「見えないもの」を実感することが難しく、特に日本人は「性善説」の傾向にあり、これが「曖昧なビジネス」が横行する要因であると思われます。この曖昧の中に多くの「闇のビジネス」が存在していることは確かな事実です。
「光触媒の闇」はコロナウイルスの流行と時を同じくして現れ、弱者や仕事難民を対象に「仕事や利益」を餌に多くの施工者を集めています。そして洗脳された施工者はお客さんに売り込むために、地方自治体や国からの「感染予防の助成金」を利用させて広がりを見せているようです。
人を欺く、典型的な手品商法
彼らの主張する理論は「光触媒」から逸脱しており、過去に公表されてきた紫外線応答型光触媒の理論の一部を引用して、都合のいいように取り繕ったもので理論展開をしています。
お客さんに対しての手口は、荒唐無稽な話と実証をして見せるやり方で展開します。人は必要としている物事が「期待以上」であると欲求が満たされ信じる傾向にあります。コロナ禍では除菌剤には「しっかり除菌ができ、その効果が長く続くこと」を期待しています。
「除菌」の効果としてルミテスターATP拭き取り検査をお客さんの目の前で行い、菌の数が減った事実を見せます。これはお客さんの視覚に訴える典型的な「手品商法」です。その後は「半永久的に効果が持続します」と付け加えることで完全に信じ込ませています。
目を疑うような、施工がとても稚拙で驚きます
YouTubeやTVニュース等で見る施工風景はとても稚拙で、素人が手吹きガンを適当に動かしているようにしか見えません。光触媒の手吹きガン施工は単なる空間噴霧ではなく基材(壁等)にまんべんなく定着させる作業です。目に見えない物質を壁・天井へ何工程も手吹き施工することは、とても高度な技術を要するのです。
酸化チタンはこれまでの多くの実証の中で1㎡当たりの必要量(適量)は決まっています。酸化チタンの粒径が小さいことの優位性は全く根拠がなく、光触媒の優位性は光の応答域で全ての性能が決まります。とにかく施工は「基材の素材に関係なく、適量が確実に定着しているか」が一番重要なポイントです。
光触媒と偽るなりすまし商法
「光触媒の闇」は菌が死ぬ溶剤を用いてあたかも「光触媒」だと売り込む「なりすまし商法」です。手品商法に終始して「菌の数が減った」と主張しますが、それが「光触媒」によるものであることを証明する実証データは何もありません。業界初「新型コロナウイルスのエビデンス(科学的根拠)取得」と言っていますが、2021年2月現在の日本では「コロナウイルス『COVID-19』」の検証をする施設やデータを出してくれる公的検査機関はありません。それはまだ検証方法すら決まっていないからです。
「なぞのこーと」・・・ありえない夢のような光触媒の誕生か?
- ノーバインダー施工
- 施工後直ちに効果を発揮する
- 明所も暗所も同じように効果を発揮する
- 有機・無機を問わず定着する
- VOC分解、対ウイルス抗菌、消臭、防汚等の効果がある
- 効果が長期的に持続する(中には半永久的とも)
光触媒は日本で生まれた独自の技術で、全ての研究開発機関は長い期間を掛けて実績を積み上げてきた製品ばかりです。出所不明の「なぞのこーと」はお化け商品か?それともノーベル賞なみの商品か?いずれにせよ助成金がらみは経済産業省、薬機法がらみは厚生労働省の管轄で公的機関の動きが待たれます。