日本の商業施設や宿泊施設には多くのカーペットが敷かれています。しかしカーペットのクリーニングは令和の世になっても普及していません。カーペット文化の欧米と比較してクリーニングの回数は極端に少なく、その結果欧米の半分の7~8年の期間で張替えを迎えます。中には10~20年メンテもしないで使っている施設もありますが、そういうところはもう客商売はお辞めになった方がいいでしょう。
この日本でクリーニングが普及してこないのには理由があります。一つはクリーニング業界にしっかりした技術のない会社が多く、お客様(施設側)に見限られてしまったことです。以前清掃会社に勤務してポリッシャーを扱える(動かせる)程度の人が、カーペットの洗浄理論や技術がないままに我流でカーペットクリーニング業界に参入してきた末路です。
二つ目はカーペットを売る内装業界の思惑です。多くの内装業界の関係者は施設側にカーペットクリーニングの重要性は全く伝えてきませんでした。その理由はカーペットが早く汚れて傷んだ方が得だからです。
不景気の時代を先取りするかのように経費節減を掲げた結果が貧乏になっていく悪循環
弊社の顧客で大(520㎡)小(200㎡)の多目的ホールのカーペットを洗浄管理してるいホテル様があります。そこは計画的に年に2回クリーニングを実施しています。以前よりこのホテル様はとても利用者が多く、その結果汚れが激しく毎回5年で張替える予算を組んでおられるほどでした。しかし弊社が管理するようになり20年近く使用することができました。
カーペットと向き合うには管理費という大きな問題が立ちはだかります。張替え時期とその予算対クリーニング管理予算の二つの問題です。つまり張替え(交換)とクリーニングの問題が立ちはだかるわけですが、張替えの前にクリーニングを先に検討しなければなりません。
その理由はクリーニングのでき次第で張替えの時期に大きく差が出るからです。良い業者が管理すると清潔な状態でより長く使うことができます。さらに施設は衛生管理に努める義務がありますが、それにはカーペットクリーニングは避けて通れません。張替え時を延ばし費用対効果を得て、同時に衛生管理にも努めるにはカーペット管理がとても重要です。
カーペットクリーニングの放置は衛生管理の放置と同じことです。
日本の商業や宿泊業界ではカーペットクリーニング(管理)のできていない施設が多くあります。クリーニングに必要な専用の掃除機すらなく、清掃やメイキング担当者が行う「日常清掃」が管理と勘違いしているオーナー様や責任者・担当者もいます。様々な施設のロビーや客室には多くの汚れやシミがあることも珍しいことではありません。
カーペットの役割は、歩行時の安全性(転倒事故の軽減)、歩行性(足腰の負担)をよくし保温性、吸音性を高めることです。その他に美観にも一役買い、健康面では空気をろ過して綺麗な空気を循環させます。しかしこれは奇麗で管理されているカーペットの話です。
逆に汚れていると様々なマイナスをこうむります。健康面では空気を循環させ綺麗な環境を提供しますが、管理を怠ると詰まったフイルター状態になります。それは同時に今まではニオイも吸収していた機能が停止することになります。さらにこの詰まりが進んでいくと内部は劣悪な状態になり、雑菌やカビが繁殖して最悪は絶えず悪臭の発する場所になります。
雑菌やカビの繁殖している環境は必ずホコリも多く、それは感染症を招きやすく施設内感染(クラスター)のリスクが高いと言えます。このような状態で営業することは健康や環境に対しての衛生問題に努めていると言えるのでしょか?
全てがメンテナンスの放置から始まり、必要経費をカットする行為は破綻を招きます。
ニオイ(悪臭)問題にしてもカーペットの張替え時期が早いことの原因は、すべてカーペット管理(メンテナンス)の放置から始まっています。施設内の既存のカーペットの寿命が意外と早いことに疑問を持たないオーナー様や責任者・担当者の多くが、メンテナンスの本来の意味を理解していません。
「目的と手段」の意味をはき違えている人の多いことが原因の一つでもあります。施設の維持管理には適切な技術と費用が関係します。維持管理は「目的」であり、そのための適切な技術が「手段」になります。しかし不景気や経費削減の大号令が人の思考を狂わせるのか、安い管理費に終始しそれが「目的」となり、「手段」の大切な物を守るための「適切な技術」は消えています。
結果として安い業者を探すこと、いかにお金を掛けないこと等が至上命題となることで「目的と手段」を見失います。必要経費までカットすることが経費節減と勘違いすると、汚れ(シミ)ニオイ(悪臭)の問題に直面しても誰も改善策を言い出せなくなってしまいます。そして多くの施設で古臭い現状や汚れ(悪臭)の環境を招いた原因が自らにあることに気付いていません。
※不景気の原因は外にはなく内側(自ら)にあるとはよく言ったものです。
弊社のサービス案内とカーペットクリーニング案内はこちらから