「光触媒は効果がない!」という意見を聞くことがあります。そこでどのような効果を期待して光触媒を施工したのか尋ねますと、多くの皆さんが業者に進められた「除菌と消臭」と答えます。
この「除菌と消臭」をどこで体感あるいは期待しているかというと、当然室内での効果を期待しています。しかし光触媒は可視光応答型であっても室内ではあまり効果は得られません。
可視光応答型は可視光の450~480ナノメートル(青色)に応答しますが、条件的には外光の沢山入る室内に限られます。さらに外光が少ない場合や夜は全く働きません、つまり「室内用」ではないのです。
これが紫外線応答型ともなると、UVカットガラスやLED照明の普及している現在では、室内で紫外線を得ることは少なくほぼ働きません。さらに外壁の汚れに関しても「セルフクリーニング効果」は、太陽の紫外線の届かない「北側」では効果が弱く汚れていきます。
それでも従来品を使った「騙し」が横行している
世の中の光触媒関連の商品で、よく「何々が入った」と言われるものの多くは偽物が大半を占めます。いわゆる「混ぜ物系」商品の多くは、エビデンス取得が目的でありその効果はほとんどありません。
なぜエビデンス取得に必要なのかと言えば、元々の商品は「室内で使えない、効果が薄い」ので販売力が弱く決め手に欠けるからです。光触媒でも多くの偽物が世の中に出回っていますが、それらの偽物は「銀やプラチナ」といった抗菌作用のある物を混ぜています。
これらの抗菌作用の商品を混ぜることで、堂々と室内や夜の除菌効果を謳える訳です。しかしその量は微々たるもので、入っていないに等しいくらいの量しか入っていません。したがってアナウンスしている程の効果はありません。
「混ぜ物系」の墓穴とは
光触媒は触媒反応により「OHラジカル」活性酸素を作り出します。日本では水道水の消毒に塩素を用います。強力な酸化力を持つ塩素を「基準1」とすると、オゾンは1.5倍のパワーがあります。しかしOHラジカルは2倍のパワーを秘めています。
酸化力が弱く高額な「銀やプラチナ」を、酸化力の強い物にわざわざ入れることにメリットは何一つありません。つまり光触媒の原料である酸化チタンに、除菌や消臭目的で「混ぜ物」をしている商品の全ては「偽物」であると断言できます。
誰が「混ぜ物系」を広めたのか?
なぜ「混ぜ物系」を作る必要があったのか?その理由は光触媒の持つ特性「原理」によるものが関係しています。現在でも紫外線応答型や可視光応答型の光触媒が多くありますが、これ等の光触媒は室内用ではありません。
そこで室内で効果のない光触媒を売るために考えられたアイデアが「混ぜ物系」の誕生です。僅かな抗菌作用がある鉱物を混ぜる理由は「エビデンス取得」であり、夜や紫外線が得られない条件でも働く「ハイブリット光触媒」と言いたいが為の産物です。
「混ぜ物系」はコロナ禍のご時世で「コロナビジネス」に参入したい企業や個人も多く、「公衆衛生関連で一儲け」そんな感情に付け入る商売です。新規参入者をターゲットに「エビデンスを取得した良い物」と信じさせる輩の術中にはまってはいけません。
騙されないためにも
混ぜ物系は、電灯で応答しない光触媒を鉱物系の力を借りて抗菌している。最大の欠点は室内で光触媒としての触媒反応がないので、消臭効果がほぼありません。
現在、外壁の防汚や室内全般で安心して使える光触媒は「電灯応答型」しかなく、570~600ナノメートル(黄色)で応答します。
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