紫外線応答型の光触媒は室内で効果があるのか?

white roses in front of white window curtain

弊社は現在清掃業を中心に活動していますが、この清掃業界に参入するきっかけは光触媒でした。2003年当時勤務していた会社で別会社を設立して「健康と環境」のビジネスに参入することになりました。新会社のビジネスの核に光触媒を据えることはすでに決定済みで、私はそちらに移動することになりそこで初めて光触媒というものを知りました。

与えられた情報によると、紫外線だけの力で「外壁のセルフクリーニングと室内の除菌・消臭」が半永久的に続くという画期的な商品だということでした。当時は良い商品に恵まれたとの思いで気分も高揚し、最先端の科学を得て新たに環境ビジネス界に打って出たつもりになりました。しかし実際に光触媒に触れてみて初めてその難しさと曖昧さに不安になっていきました。

不安と半信半疑

光触媒に関わっていくうちに「何かが違う」ことに気付くようになりました。それは「効果」に対して検証がとても難しいことと、その「効果」を最大限に引き出すにはどうしたらいいのかという問題にぶつかりました。その当時はまだ確実な施工方法が確立されていない中で、「確実に適量が定着しているのか?」の判断と「半永久的な効果の持続」を本当に保証できるのか?という最大の疑問と不安が湧いてきました。

商品の品質と安定供給が課題

除菌は目に見えないし感じることはできませんが、しかし消臭となると多少の個人差はありますが感じることができます。そこで造花に光触媒(酸化チタン)をたっぷり噴霧し乾燥させて「光触媒フラワー」を作りました。その造花に息を思いっきり吹きかけて造花のニオイをかぎます。正常なら息に含まれるニオイ成分の有機物を分解するので分解臭「古臭い衣服のようなニオイ」がします。しかし分解臭の実験の結果は日によってバラつきがありました。

何故なのか?その当時、製品開発はまだ発展途上にあり、品質が一定でないことが原因と分かりました。このような不完全な商品を提供することはできないとの結論に至り「光触媒界」から撤退しました。

現在の光触媒は飛躍的な進歩を遂げました

私たちは2004年に「光触媒事業」から撤退しましたが、しかし光触媒は現在も多くの民間企業や大学、行政機関で研究開発は続いています。光触媒の進化の経過は、1970年代の紫外線応答型(380nm)から始まり2001年に可視光応答型(450~480nm)へ進化し、2009年には電灯応答型(570~600nm)が開発されました。最近の光触媒は他の分野への応用や技術移転が起こりつつあり今後も更なる発展をとげていくことでしょう。

光触媒の性能の違い

それぞれの光触媒の持つ(エネルギー量や力)をあえて例えると三輪車から始まりママチャリへ進化し、現在はロードバイクの性能を持ったものまであります。今まで光触媒の多くの製品が「生まれては消え」を繰り返していますが、誇大広告の製品も多くあります。

ありがちなものでは紫外線応答型の光触媒で「紫外線を最大限有効活用した今までにない商品です」とか「何々を混ぜることでハイブリット型の凄い商品ができました」と言ったものです。しかしこれ等の商品はすべて三輪車です。三輪車が何百台こようがママチャリには追い付けないし、またママチャリもロードバイクに追い付けないことは厳然たる事実です。

エコライブサポート代表者。清掃業の立場から多くの方々へ、より快適な環境を実現するための除菌・消臭等の情報を発信していきます。

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